古本の趣

神田の古本屋にて「資本論」全9巻を900円で買った。

 前から欲しかったので、いい買い物をしたなと思っている。

 

値段もさることながら、僕は古本の「誰かが使った感」に強く魅かれる。

この本には押印と買った日付が記されてあった。

日付には「昭和44年(1969年)1月21日(火) 明屋書店にて購入 Y.O.」と書かれていた。

曜日と買った書店、さらにはイニシャルまで記されている。

よほど律儀な人だったのだなと思う。

しかも全巻に記されてあり、本文には傍線ひとつない。

やはり律儀で、綺麗に読む人だったのだなと感じる。

この感覚が堪らない。

 

本自体も楽しみなのだが、その状態などから前所有者を想像することもひとつの楽しみになっている。1回で2回楽しめちゃうのだ。

 

以前、戦前の大学の入学試験問題集を買ったことがあるのだが、それを読んでいると昔の人はこれを使って勉強していたのかぁ、とか、この人は無事受かったのかな?、とか、今もどこかで生活しているのかな、とか想像できて実に楽しい。

古本は実にワクワクする。

 

また、前所有者が大切に使っていたものだから無下には扱えないなと思い、大切に使うようになる。

新品もいいものだが、一度この古本の良さを知ったものとしては、少々味気ないのだ。